キツネ
キツネは世界中に生息しているイヌ科の動物で、モッフモフな皮毛と大きな尻尾・大きな黒いキツネ耳が特徴の可愛い動物だよ!(耳が黒くないキツネもいます)
宮城蔵王キツネ村のキタキツネ
宮城蔵王キツネ村の茶プラキツネ
もくじ
●アカギツネ
・アカギツネの生態
-食性について-
-キタキツネ・ギンギツネなどの違いや種類の説明-
キタキツネ体色別紹介
キタキツネ
十字ギツネ
ギンギツネ
茶プラキツネ
プラチナキツネ
アカギツネの体-夏毛と冬毛-
アカギツネの体-眼-
アカギツネの体-体の大きさ-
アカギツネの体-大きな尻尾-
アカギツネの体-アカギツネの鳴き声-
アカギツネの体-色-
耳
手足
お腹
尻尾
体
-身体能力・習性①ジャンプ-
-身体能力・習性②狩りの方法と第六感-
-身体能力・習性③穴を掘る-
-身体能力・習性④キツネのケンカ-
-アカギツネの一年-
キツネについて
本ページでは主にアカギツネやアカギツネの亜種キタキツネについて説明します。
キツネは基本的には肉食に近い雑食で夜行性。家族単位以上には群れないタチです。環境適応能力が高く、生活環境によって柔軟に対応できる事が大きな特徴であり一番の強みです。また、哺乳類の中では珍しく父親も子育てに参加する特徴があります。アカギツネに於いては全般的に警戒心が強く臆病な性格です。でも、気まぐれに興味を持った者に自ら近づいていく様子も見られます。キツネはイヌ科ですが、気まぐれな野良猫のような振る舞いを見せてくれます。
発情期や子育て期以外は孤独に生活するのがアカギツネの基本的なライフスタイルですが、自然環境次第では小規模な群れをなす例もあります。
(上記の写真は蔵王キツネ村での写真です。群れをなしてるわけではないです。)
日本におけるキツネの分布
日本では北海道にキタキツネ(アカギツネ亜種)・本州・四国・九州にホンドギツネ(アカギツネ亜種)が分布しています。
四国と九州にも生息していますが、生息区画率は少ないようです。
沖縄には野生のキツネは居ない。←目撃情報求む
※環境省第2回及び第6回自然環境保全基礎調査結果の19座標系2次&5kmメッシュコードデータより
北海道:野生キタキツネのオス
東京都:野生ホンドギツネのメス
さすがに東京都には居ないと思った??
実は東京都にも居るんだな~これが。
環境適応能力が高いので、キツネは雪原や森林・山岳地帯・人間の生活圏、果ては北極(ホッキョクギツネ)から砂漠地帯(フェネック)まで。かなり広く分布しています。
北極ギツネ(宮城蔵王キツネ村にて撮影)
分布:北極地域
ロシア・グリーンランド・カナダ・アラスカ・アイスランドなど
フェネック(井の頭自然文化園にて撮影)
分布:砂漠・乾燥地帯
アルジェリア・エジプト・スーダン・チュニジア・モロッコ・リビアなど
「地球を飲み込む狐」と言うのもあながち間違いではありませんね。
アカギツネの生態
アカギツネの生態-食性について-
肉から草類・市街地の残飯まで。食べ物は基本的に何でも食べます。
野生のキツネは主に肉を好み、ネズミやウサギを食べます。海産物やヘビ・穀物や海藻類を食べる姿もまま見られ、環境やキツネの種類によってはキツネを食べる例もあります。
貝を咥えるキツネ(キタキツネ♂北海道)
ネズミを口に入れる瞬間のキツネ(ホンドギツネ♀東京都)
カニを咥え、子ぎつねに与えるため巣に持ち帰るキツネ(キタキツネ♂北海道)
実に多彩な食性です。何でも自分の糧とする度量の大きさが垣間見えます。
キタキツネはアカギツネ?キタキツネ・ギンギツネ・十字ギツネなどの違いや種類の説明
「キタキツネ」と「アカギツネ」って何が違うの?という類の質問が多いので、ここにまとめておきます。
- 「キタキツネ」と「アカギツネ」って何が違うの?
- まず、「アカギツネ」って、世界中に分布しているんですね。
その「アカギツネ」のなかで、北海道・樺太に分布している亜種の事を「キタキツネ」って呼んでいます。
つまり、「キタキツネはアカギツネの亜種」ってことです。北海道に居るアカギツネはキタキツネって呼ばれてるんだね~。って感じ。
- じゃあ本州に分布してるキツネは?
- そのキツネも「アカギツネ」です。本州に生息するアカギツネの亜種なので「ホンドギツネ」です。
囲い図で説明すると、こうです。
キツネ属
アカギツネ
キタキツネ
・スタンダード(キツネ色)
・十字ギツネ
・ギンギツネ
・プラチナキツネ
・茶プラキツネホンドギツネ
・スタンダード(キツネ色)その他亜種がいっぱいいます
ホッキョクギツネ
その他亜種がいっぱいいます
フェネックギツネ
その他亜種がいっぱいいます
※野生のキタキツネに於いてお目にかかる可能性があるのはスタンダード・十字ギツネ・ギンギツネです。
※ホンドギツネにも、ギンギツネや十字ギツネのような模様を発現させる可能性はありますが、ホンドギツネ=ほとんどが野生なので、お目にかかる事はほぼ有り得ないかなと思います。目撃情報も乏しいので割愛しています。←目撃情報求む。
※フェネックの亜種はそんな居ないかも…。
- 亜種って何?
- 独立した種とするほどの違い・規模ではないが、形質に差が見られる場合に「亜種」が当てはめられます。
特に島国では同じ種でも形質が変わりやすい傾向にあります。
ホンドギツネはキタキツネに比べ毛足が短く、手足の黒タイツも控えめです。日本だけでも2亜種のキツネが居ます。もちろん、世界中で沢山のアカギツネの亜種が居ます。
- 宮城蔵王キツネ村のキツネは本州(宮城)だからホンドギツネ?
- 蔵王キツネ村のキツネは、キタキツネを宮城県に連れて来て繁殖などを行っているので、場内のキツネはキタキツネです。数匹だけホンドギツネも居ます。
- プラチナキツネはアルビノなの?(ギンギツネはメラニズムなの?)
- 違います。プラチナキツネはアルビノではありません。白変種です。ギンギツネも同様。
白猫がアルビノとは限らないし、黒猫がメラニズムだとは限らないのと同じです。
ちょっと白いと「アルビノです」だの、ちょっと黒いと「メラニズムです」だの断定するサイトが多くて困りますね…。
キツネの説明から話題が逸れていってしまうので、詳細はググったりなどしてください
wikipedia「白変種」
アルビノと白変種の違い。-暇つぶしニュース!-
「劣性遺伝」と「優性遺伝」について~アルビノを正しく理解する~
おまけ
- キタキツネは夜行性じゃないって本当ですか?
- 最近急速に増えているお問い合わせです。どっかのデマブログにでも書いていたのでしょうか、猟友会の方からも相談が来ました。。。瞳孔を見れば一目瞭然なんですけどね。迷惑この上ないデマです。
結論から申し上げると、キタキツネは夜行性です。ホンドギツネも夜行性です。
ですが、夜行性だからと言って生真面目に夜だけ活動するワケではありません。
エサを収穫出来る時間帯が朝や昼間に集中している環境に身を置いているキツネだった場合は、昼も活動しますよ。
人間もそうですよね。人間は昼行性ですが、深夜のお仕事に身を置いて昼夜逆転していても、何もおかしいことはない。昼夜逆転生活をしても人間は夜行性ではないですよね。そういうことです。
体の基本的なリズムからズレていたとしても、それを上回るメリットがあった場合は本来の行性からズレます。行性は外的要因による影響が大きいです。
人間の生活に近い場所に生息しているキタキツネやホンドギツネは、本来の夜行性からズレている傾向があるようです。個人的な経験上では明け方・夕暮れに活発になる薄明薄暮性に近い行動をとるキタキツネが多く居るように思います。人間に合わせるキタキツネが多いってことかな。それもまた地域によって様々。でも、キタキツネ・ホンドギツネは夜行性です。
キタキツネ体色別紹介
キタキツネ・十字ギツネ・ギンギツネ・プラチナキツネ・茶プラキツネについて、さらっと紹介しますね。体色によって性格の傾向があるみたいだけど、個体差の範囲内だよ!
キタキツネ(スタンダード)
キタキツネと言ったらこの色ですよね。(便宜上、ここではスタンダードって書きます)
耳裏が黒くて、黒タイツで、お腹が白くて、体がキツネ色で、尻尾の先は白です。
英語表記は「Ezo Red Fox」です。(アカギツネは「Red Fox」)
十字ギツネ
劣性遺伝要素が発現すると十字ギツネになります。野生環境でもまま見られる色です。
背中に黒の十字を背負った感じの模様になります。カッコいい…(*´﹃`*)
毛並みが良くなりすぎる養殖環境では、クッキリとした十字模様はなかなか見られません。
英語表記は「Cross Fox」です。
ギンギツネ
キタキツネの突然変異種、ギンギツネです。野生環境では非常に珍しいです。
模様は黒を基調にして顔の周りや体は白毛が混ざった銀髪となります。耳と足は真っ黒で、この辺りがキツネ感が出ていますね。
英語表記は「Silver Fox」です。
茶プラキツネ
茶プラキツネ。茶色プラチナキツネもしくは赤プラなどとも呼ばれます。
ギンギツネからの人為的選択交配により発現する色なので、野生環境ではまず見られないキツネです。
神々しい雰囲気ですね(*´﹃`*)
英語表記は「Red Platinum Fox」もしくは「Gold Platinum Fox」です。
プラチナキツネ
プラチナギツネも茶プラちゃんと同様、ギンギツネからの人為的選択交配により発現する色なので、野生環境ではまず見られないキツネです。
カッコいい。。。(*´﹃`*)
英語表記は「Platinum Fox」です。
アカギツネの体-夏毛と冬毛-
アカギツネの冬毛はこんな感じ。柴犬くらいの大きさに見えますね。
こんな格好で夏は大丈夫なの?
こちらが夏毛です。
かなりスッキリしましたね。このようにして暑い季節を乗り切ります。
冬毛になると、肉球が毛で覆われて防寒や滑り止めの効果を発揮します。
アカギツネの体-眼-
キタキツネの瞳
キツネと自撮りしました!真ん中にぼんやり映ってる黄色シャツが私。全体的に万遍なく写ってるのがキタキツネです!ლ(╹◡╹ლ)
キツネの瞳孔は縦のスリット状です。カメラの絞りで言うところのギロチン絞りです。イヌ科だけど円形の瞳孔ではないんです。
スリット状の瞳孔は、円形の瞳孔よりも短時間で閉じることができるとされていて、夜行性動物に多いとされています。
キツネは夜行性ですから、このような形状なんですね。
プラチナキツネの瞳
ステキ…(*´﹃`*)
アカギツネの体-体の大きさ-
野生のアカギツネは大きくて7キロ程度。犬で言うところの小型犬並みの体重です。
上記の写真の犬は6キロくらいのジャックラッセルテリアです。
こうして見ると、大きく見えているキツネの体のほとんどが「モフモフ成分」だというコトがわかります。
換毛期まっただ中の十字ギツネさん
換毛期は大よそ
冬→夏:4月~6月
夏→冬:9月~11月
になっています。
アカギツネの体-大きな尻尾-
見よ!このでっかい尻尾を…!!
…(*´﹃`*)
丸まって寝るキツネ。キツネの代表的なポーズのうちの一つ。
尻尾に顔を埋めたりして、寒さに耐えられるようにしています。
モフッ
キツネ叩き棒にもなります(笑)
アカギツネの体-アカギツネの鳴き声-
キタキツネの鳴き声はこんな感じです。「コンコン」と鳴くときは異性を呼ぶときなどに鳴きますので、繁殖期以外はあまり聞けるチャンスはありません。「ワン!」と鳴くときは外敵などの警戒の鳴き声です。
キツネ村では、キツネが「ワン!」と鳴く様子が稀に見られます。周りのキツネが一目散に逃げますよ。
アカギツネの体-色-
耳
▲▲ ▲▲ ▲▲
大きくてかわいらしい黒耳です(*´﹃`*)
裏面が黒くて、耳の根元まで伸びています。多少の個体差有り。
これはギンギツネや十字ギツネ、プラチナキツネや茶プラキツネまで同じになっています。
何故こうなっているかと言うと、とにかく可愛いからです。
・表情を付けるため
・カウンターシェーディング?
・表面のクリーム色は保護色として。裏面の黒は末端を保温するため熱線を吸収する色
など考えましたが、実際のトコどうなんでしょ。←理由を明確に説明出来る方いらっしゃいますかね?
手足
くんくん。。。
キタキツネの手足は黒くなっていますよ。
こちらは根元まで真っ黒な例。ここまで足が黒いキツネはあまりいません。個体差が大きいということです。
ちなみにホンドギツネは手はほとんど黒くありません。野生のキタキツネも、ほとんど黒くない手足のキツネが多いです。
キツネの手袋。キツネの黒タイツなどと呼ばれていますね。
何故こうなっているかと言うと、とにかく可愛いからです。
・歩いている時に草木の幹等に同化しカムフラージュになる。
など言われています。
黒い部分はホント、個体差がけっこう大きいので、もしかしたら手足が黒くあることは、そこまで重要でない…?
でも、おきつねの黒てぶくろ。良いですよね…(*´﹃`*)
お腹
かわいらしいポーズฅ(´ω`)ฅ
キツネは顔の下半分からお腹にかけて白いです。
何故こうなっているかと言うと、とにかく可愛いからです。
・光の当たる部分に暗色・光の当たらない部分に明色を置くことで、明暗を平準化してカムフラージュ効果を高めるためと言われています。これをカウンターシェーディングと言います。
・下からキツネを見上げた時に、空の明色に近い色で保護色になるから。
と言われています。
尻尾
アカギツネは全般的に、尻尾の色は体色に比べて暗い色になっています。野生のキタキツネとホンドギツネは体色と尻尾の色はほぼ同一です。(個体差大きいです。地域差と栄養状態によっても左右します。)
尻尾の先は白いです。
何故こうなっているかと言うと、とにかく可愛いからです。
尻尾の先が白い理由は
・子ギツネが親の後をついていく時などに目印となる為
・異性へのアピールの為
などと言われています。
体
体はキツネ色で、オレンジに近い色だったり、黄色に近い色だったりします。
何故こうなっているかと言うと、とにかく可愛いからです。
・土色や岩、木の幹、枯れ葉に同化しやすい色かなと思います。
(バレてない。。。バレてない。。。)
アカギツネの生態-身体能力①ジャンプ-
キツネと言えばジャンプ!キツネさんは跳んでなんぼの生き物です。
ジャンプの高さは2mにも達すると言われていて、宮城蔵王キツネ村で行われた実験では、150cmという記録を出しています。
参考:日本テレビ「所さんの目がテン!」2009年2月22日放送回
犬と比較:走り高跳び三冠女王ディーナちゃん(ボルゾイ♀)の2013年度公式記録は175cm
キツネの体の小ささを考えると、150cmというのは相当高いことが分かります。もしキツネもしっかり躾が出来たなら、良い勝負になるかもしれませんね。
アカギツネの生態-身体能力②狩りの方法と第六感-
キツネさんの十八番の狩り手法「ジャンピングダイブ」
ずぼぼぼぼぼ
雪中の獲物を音や匂いで探しあてて、ジャンプの勢いで一気に雪の中へ!
このように、キツネが狩りのために地面に刺さってる図は世界各地で見られ、その様子から「フォクスカリバー」などと呼ばれています。
※ウソですおきつね獲ったど~!!
匂いや視覚だけじゃない!キツネの「第六感」
チェコにて、2008年4月~2010年9月の2年間ほど、延べ84匹の野性のアカギツネ・592回のジャンプ・65箇所で観測したところによると、
跳ぶ方角によって獲物をゲットできる確率は
北東方角へ跳ぶ:73%
南西(北東方角の間逆):60%
その他の方角:18%となっていて、「北東もしくは南西方角に跳んだほうが圧倒的に成功率が高い」
ことが判明しています。
この結果は季節や時刻・雲の状態・風向き・キツネの年齢・キツネの性別に関係なく、一定だったそうです。このことから、キツネは磁気感覚を用いて地球磁場を読み、獲物の物音がする角度と照らし合わせ、距離を正確に測距しているのではないのか。
そうでないと、この異常に高い成功率は説明できない。
と言われています。
参考:[PHYS.ORG]Predation by foxes aided by Earth’s magnetic field
[npr]’You’re Invisible, But I’ll Eat You Anyway.’ Secrets Of Snow-Diving Foxes※磁場のスロープと対象が出す音の角度とを重ね合わせることで、獲物までの距離を正確に測定する。という測距手法。三角測距の情報源に音と磁気を用いている感じかなぁ。
キツネの網膜に、磁覚を得られるのではないかとされる磁場を感じる分子「クリプトクロム1a」が存在することが最近明らかになりました。
参考:学術誌『Nature』オンライン版「Scientific Reports」
2016年2月です。ほんとに最近ですね。
正確な方向感覚を持っている渡り鳥だけでなく、イヌやオオカミ、クマ、キツネ、アナグマ、オランウータン、マカクザルなどの哺乳類の網膜にも、磁場を感じる分子「クリプトクロム1a」が存在することを発見した。といった内容です。
網膜にクリプトクロム1aが存在するというだけで磁覚を意識して使えるというわけではありませんが、渡り鳥だけではなく他の哺乳類も磁場を知覚する能力を備えている可能性があるそうな。
こちらの写真の通り、ジャンプする直前は、なにやら首をかしげています。
そのまま見ると、ただただカワイイ仕草なんですけれど、実は視覚・聴覚・磁覚をフルに使って、距離を測っている動作なのかもしれませんね。
こちらのキツネを撮影をしたときは、確かに凄い確率でネズミを捉えているんですよ。少なく見積もっても6割は超えていました。
キツネの研ぎ澄まされた第六感、シックス・センス…ならぬフォックス・センスはホンモノだと私は信じております(˘ω゚)
「か、勘違いしないでよねっ!」
「ただ地球磁場との位相差を検出して座標軸を合わせてるだけなんだから!
別にっ、アンタにカワイイと思われたくってやってるんじゃないんだからっっ////」
蔵王キツネ村の餌場からエサを投げようとすると、ごくたまーに首をかしげてるキツネがいます。
獲物を視認できる場合においては、上記に書いたようないわゆる「第六感」を使うコトは無い(使う意味も無い)とされていますが、
つい本能的にやってしまうんでしょうかね。
エサのジャンプキャッチも非常に上手なキツネさんですが、こちらは単に日頃の練習の成果だと思います。
キツネさんの第二の狩り手法「チャーミング」
キツネは獲物を目の前にしたら、ゴロゴロと転げまわったり突拍子のない行動をとる場合があります。
捕食対象の中で、比較的大きなサイズの捕食対象へのアプローチ法です。
獲物への興味を引き、近づいてきたところを「食べちゃうぞ~!」するわけですね。このように捕食対象の興味を引き捕食する手法を「チャーミング」を呼びます。
キツネに化かされた!なんて伝承は、こういった行動を見た人たちが言い始めたのかもしれませんね。
※「チャーミング」は、まれに見られる狩り手法であり、メインの手法はあくまでネズミ等へのジャンピングダイブです。
※上記の写真は、「チャーミング」時の様子を撮ったわけじゃないです。イメージね。イメージ。
確かにこんなポーズされたら、気になっちゃいますよね(笑)
アカギツネの生態-身体能力③穴を掘る-
キツネといえば、これも忘れてはなりません!穴掘り!キツネさん自慢のサバイバル技術です。
穴を掘る目的は、大きく分けて3つあります。
掘ったドングリを投げて遊ぶキツネ
①穴を掘って、エサを埋める。分割して食べて、飢えをしのぎます。
埋めたエサですが、コレを掘り返す時は嗅覚ではなく、埋めた時の記憶をもって掘り返すことが実験により明らかになっています。
参考:『Running with the Fox』第4章
キツネさんは頭が良く、特に記憶力が優れているみたいです。
余談ですが、親兄弟の顔を覚えていて血が濃くなるのを防いでいるとも言われています。
埋めたエサを運ぶキツネ(キタキツネ♀北海道)
埋めた魚を掘り起こして、子ぎつねの元へ運ぶ母ギツネの様子です。
キツネはまず、捕った獲物はまず埋めます。そして、あとで食べます。でもお腹が空いてたらすぐに食べます。
②簡易ベッドを作る!
このくらいの穴でも、意外と保温性が良くなります。あと、外敵にも見つかりにくくなりますね。巣に帰れない日や昼寝の時は、簡易のベッドで。
③キツネの巣作り!
巣穴としての利用はもちろん、複雑にトンネルをルーティングして、避難経路として使ったりもします。
まさにキツネットワーク。
つまり人類がインターネットを発明するはるか以前からキツネはこの世k
もうこのネタはいいかU´エ`U
-身体能力・習性④キツネのケンカ-
忘れてはならないキツネの習性。ケンカです。
ケンカというか、威嚇にあたりますね。
このように互いの口と鋭い牙を見せあい、勝敗を決します。平和的に解決するための手段です。
そのままケンカに発展することもありますが…_(:3」∠)_
雌の奪い合いにも、この威嚇がよく見られます。
「お互いに大砲をみせびらかせあっているうちは、 要するに交渉のうちなのさ。」
って、ベローズも言ってたよね。そういう事です。
引用:彗星のガルガンティア3話「無頼の女帝」ベローズのセリフより
気付きましたか?キツネが威嚇をしている時は、必ず耳を畳んでいます。
実は内心怯えている…!
というのもあるかもしれませんが、耳を咬まれないように畳んでいるのです。障害物を避ける時と一緒ですね。
また、この「キツネのケンカ」を表す英語があります。
「Gekkering」です。ケンカの様子やケンカの時の鳴き声を表す言葉です。
キツネ専用の英単語です。ぜひ覚えていってね!
アカギツネの生態-アカギツネの一年-
冬
冬は繁殖期のシーズンです。おおよそ1-2月がピークになっています。
小屋の下に隠れているのが雌です。逃げずに決着がつくのを待っています。
雌を奪い合う姿がまま見られ、一匹の雄と番いになります。
神社で求愛中のキツネ
キツネの交尾結合(右側がオス)
交接は犬と同じく交尾結合を含み、時間は通常5-20分。30分以上かかる場合もあります。また、交尾結合の時間が長い方が妊娠する確率が高まります。
※wikipediaでは20秒間に満たないとありますが、あれ違います。誰か直しておいてください(編集のやりかた分からん)
妊娠期間は50-60日ほどで5匹前後の子供が生まれます。
春
プラチナキツネの親子
プラチナキツネの親子
「大丈夫?おっぱい飲む?」授乳中のプラチナキツネ
春は子ギツネのシーズン。ピークは4月中ごろ。
蔵王キツネ村では4月末から5月上旬に公開しています。
母ギツネはこの時期が一番体力を使う時期です。自分の分のエサも子ギツネに与えてしまい、換毛期であることもありとてもみすぼらしい姿に見えますが、それだけ全力で頑張っているという事です。
オスも子育てに参加し、エサなどを取ってきたりします。
夏
子ギツネもすくすく成長していき大人のキツネも夏毛に生え換わり、つかの間の安定期を迎えます。
野生の子ギツネはこの時期に遊びながら狩りなどを学んでいきます。
夏の終わりに差しかかると、親のキツネが子ギツネをものすごい剣幕で追い払い、子別れとなります。通称「子別れの儀式」と呼ばれています。自分のテリトリーから徹底的に追放することで、近親交配により血が濃くなるのを防いでいるとも言われています。
「子別れの儀式」については蔵王キツネ村の「子別れの儀式」を参照してみてください。
秋
子別れの儀式が終わり、行くあても無く子ギツネがフラフラと徘徊しているのが秋のシーズンです。
訳も分からず人里近くに降りてくることもあります。
一人で生きていく力を付けるための大事なシーズンなので、野生のキツネに絶対に餌を与えてはいけません!(もちろん他のシーズンもダメよ!)
野生動物に餌を与える行為は、人に麻薬を与えるのと同じ行為です。
「たった一回」が可愛い子ギツネの身を滅ぼします。
野生動物にエサを与える行為は人間で例えると「子供に麻薬を投与する」だよ。
たかがパン一欠片でも毎日命を削る思いで食料を得る野生動物にとって、この上ない快楽なの。子ギツネが狩りを覚える時期にこんなの覚えさせて厳冬を迎えたらどうなるか… https://t.co/IZzH4BfMNv— キツネ写真館@蔵王キツネ村公式提携中 (@fox_info_net) 2016年10月15日
「餌付け依存の悪循環」を作ってみました。ご参考にどうぞ。
ゲスト:
エキノフォックス君 様
いらすとや 様
参考:
みやぎ県政だより 2010年12月号 特集 「薬物依存の悪循環」
冬
初めての雪に子ギツネが大はしゃぎするのがこのシーズンです。ですが、子ギツネはもうほとんど大人と変わらない体つきになっています。この年の冬からオスメス共に性成熟を迎えます。
野生では3年4年程度が寿命とされ、1歳までの生存率は4%以下とされています。
(飼育下のキツネは10年以上生きるのも珍しくないです)
野生のキツネを取り巻く環境はとても厳しいのです。
大体、分かったかな??
そのうち、更に続きを書いていく予定です。
もの足りない貴方は
キツネ写真集
ランダムキツネギャラリー
ランダムキツネギャラリー
も、併せてどうぞ(˘ω゚)